2015年より、常時使用する労働者数が50人以上の事業場では、ストレスチェックの実施が義務付けられています。高ストレス者の対応等、個人の対応はもちろんですが、職場ごとのストレス分析は、活用されているでしょうか。やりっ放しになってはいないでしょうか。
そこそこの規模でストレスチェックを実施した場合、ストレス度が高いところもあれば、低いところも出てくるでしょう。これらの結果を組織の部門長に返却しただけで終わらせるのは、勿体ない!
組織開発の中で、「診断型組織開発」というアプローチがあります。これは、サーベイやアンケートの結果をきっかけに、職場のメンバーがチームで起こっている現状について対話を行い、理解していくというものです。
対話では、現状の問題に気付き、認識を共有するところから始めます。
そして、組織の望ましい状態を考え、望ましい状態になるために何を取り組むのかを決め、具体的な行動計画を立てて、実行する、というのが主な流れです。
ポイントは、すぐに行動計画に移らないこと。例えば、「コミュニケーションが良くない」「メンバーのことを良く知らない」といった問題が出た際、すぐに解決策として「飲み会をしよう!」となりがちです。
しかし、なぜコミュニケーションが良くないのか、その原因や後ろにある背景、目指す姿の合意もなしに、解決策を決めてしまうと問題は解決されません。何が起きているのか、しっかりと対話をすることが大切だとされています。
ストレスチェックも、この診断型組織開発と同様のアプローチが出来ます。
そして、対象となる職場は、高ストレスの職場だけでなく、組織全体であること。
どの職場にも必ず問題はあり、100点満点の職場はありません。
その職場ごとの問題を明確にすること、ありたい姿を共通認識すること、そして皆でそれを目指さし、行動すること、行動を振り返ること。
そんな機会を提供することで、ストレスチェックは「ストレスを予防する」という意味から「組織の活性化」や「従業員が成長するきっかけ」という宝の地図に変わっていきます。
あなたの職場の組織分析結果は、誰かの机の引き出しに眠っていませんか?
あなたは、ストレスチェックを何に活かしたいですか?
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