中小企業を産業保健師として訪問していると、産業保健スタッフと人事部がお互いに過大なる期待をしすぎじゃないか、と思うことがあります。
人事部にとって、病者の管理は非常に負担の大きいものです。 負担の大きいことの1つに「病気のことが良く分からない」ということがあります。分からない事ゆえに、「この問題が何の問題なのかが分からない」ということに繋がります。そのため、産業保健スタッフが全てマルッと解決してくれるのではないかと期待し、産業医面談に願いを込めます。
半面、産業保健職は「会社のことが良く分からない」「従業員のことが良く分からない」。
参加者が「内心良く分からない」状況で、起こることは
何だか良く分からない、ふんわりした状況で、産業医の訪問が終わってしまうこと。
例えば、産業保健あるあるの経過観察という指示。
これは、いつ、誰が、何を観察するのでしょうか。曖昧なまま、忘れ去られていく代表ワードであるように思います。
私は、月に1回の産業医の訪問を、産業医に面談をしてもらい指示をしてもらう時間、とはせずに、産業医の面談を軸にした、課題を解決する一種の会議としています。会議とは、仕事をうまく進めるために必須なもの。参加者のコミュニケーションを育み、合意形成や課題解決を効率的・効果的に進める場です。
この問題は、何の問題なのか。
病気の問題なのか、本人の人材育成上の課題なのか、それとも組織の課題なのか。
誰が解決すべきなのか、担当者の負担が大きすぎはしないか。支援するのは、いつ誰が、何をするのか。
そんな問いを常に念頭に入れ、その場を運営するだけでも、より意味のある時間に変わってくるように思います。
あなたの職場では、参加者が迷子になっている、ふんわり産業医訪問になっていませんか?
あなたも一緒に迷子になっていませんか?
Comments